本日の撮り。家族で訪れた東京ディズニーシー、海の向こうに見えた雲の流れに”何か”を感じた一枚。今回の記事では、勤務形態を時短勤務に変更した経緯を書きました。この変更は、家庭・家族と向き合う時間をより多くすることも目的のひとつです。特に、家族で行楽地を訪れた際は、自分の心が外(他人)ではなく内(自分と家族)を向いていることを実感できるため、収入を犠牲にしてでも勤務形態を変更した意義を強く感じることができます。この感覚が安定して継続するようになれば良いのですが、ここは試行錯誤ですね。
僕はサラリーマン生活を始めて10数年ほどになります。特に若い頃は長時間残業や休日出勤も珍しくなく、多くの時間を仕事に割いてきました。しかし、このような生活は体力的にも精神的にも非常に疲弊するものでした。そんな仕事中心の人生にひと区切りをつけたのが、第2子の誕生とこれに伴う1年間の育児休業の取得です。家庭を中心とした時間の使い方にシフトしたことで、充実した日々を過ごさせてもらいました。育休からの復職後はフルタイム勤務に戻りましたが、やはり「家庭に軸足を置いた人生を過ごしたい」との思いが強まり、今般、上の子の小学校進学を機に時短勤務に変更しました。今回の記事では、時短勤務を選択するに至った背景や思いに加え、勤務形態の変更にあたっての職場との調整方法や、実際に始めてみて感じた変化などを振り返ってみたいと思います。
時短勤務に至った背景。育休明けのフルタイム勤務で感じた違和感
第1子が誕生した7年前、男性の育児休業は職場の制度としては存在していたものの、僕の周りで実際に取得している人は皆無でした。僕自身も、取得するという選択肢すら頭に浮かばず、誕生日前後に数日の有給休暇を取得するに留まりました。
しかしその後、少子化対策の一環として男性の育児休業取得が積極的に推進されるようになり、そのおかげもあって僕の意識にも変化が生まれました。2年前、第2子の誕生を機に1年間の育児休業を取得。育休の1年間は仕事から完全に離れ、家庭と育児、そして自分自身にのみ目を向けることができたため、非常に充実したものでした。この経験が、「サラリーマンを卒業して、より自由な人生を送りたい」との思いに至った大きな転機でした。このことは、当ブログ初回の記事でも触れています。
育児休業の終了後はフルタイム勤務で職場に復帰しました。近年の働き方改革や職場の意識変化もあって、以前のような長時間残業は全くなく、保育園行事のほか、発熱などによる突発的な休暇も取りやすい環境でした。
しかし、ワークライフバランスの改善が進む状況であっても、「1日8時間」という労働時間の基本は変わりません。育児休業期間中はゼロであったことに比べると、相当の時間をサラリーマン労働に割く必要があります。「労働をこなしつつも、家事や育児にも軸足を置きたい」との思いがあったものの、繁忙期にはこれと逆行する状況にならざるを得ないことがありました。その結果、公私のバランスの取り方や理想とのギャップに悩むようになり、最終的にはメンタル不調に陥り、暫くの間就業制限を受けることになってしまいました。
現在は心身ともに回復し、比較的安定した状態に戻っています。ただ、この経験を経て改めて感じたことは、「サラリーマンとしての労働に充てる時間をできる限り減らしたい」というものでした。
労働時間を完全にゼロにすること、すなわちサラリーマン卒業が理想ではあるものの、収入面や保育園の継続通園など、あらかじめシミュレーションをしたり対策を打つべき課題も多く、すぐに実現できる状況にはありません。このことから、まずは現実的な範囲で労働に充てる時間を減らすことを目指し、「育児事由での時短勤務」を選択することにしました。
加えて、2025年4月からは上の子の小学校進学が控えており、送迎先が小学校と保育園の2箇所に分かれることになります。学童や習い事を踏まえても、すべてを妻ひとりだけで対応するのは困難です。家庭全体として、環境変化への対応力を上げる意味でも、このタイミングでの時短勤務への切り替えは、理にかなった判断だったと感じています。
時短勤務にあたっての社内交渉は意外にもスムーズ
時短勤務への切り替えにあたっては、あらかじめ職場の関係者にも状況を説明し、合意形成を図っておくことが最も重要です。ところが、僕の勤務先では時短勤務の前例がほとんどなく、同僚やその周囲にも皆無でした。基本給が減額されることに加え、みなし残業手当も付与されなくなるため、時短勤務ではなく「業務の調整・効率化により極力定時退社を目指す」といった働き方を選択する人が大多数のようです。
このような職場事情もあって、僕が最初に時短勤務への切り替え希望を切り出した際も、周囲からは「時短勤務ではなく、業務分担などの工夫でカバーするという選択は取り得ないのか」といった反応がありました。これは、僕の収入面への影響を慮っていただいたものだと捉えています。
ただ、我が家の場合は妻もフルタイムで働いているため、収入的には一定程度の余裕が見込めます。加えて、真に必要に迫られた場合は、積み立ててきた投資信託の一部を取り崩すことも選択可能です。そのため、僕は収入の維持よりも労働時間の低減を優先し、時短勤務を選択することにしました。
その後、改めて時短勤務への切り替え希望を伝えてからの流れは意外にもスムーズでした。事例が少ない割には、揉めたり手続きが滞ったりすることもなく、無事に時短勤務が適用される運びとなりました。前例がないことに多少不安もありましたが、実際には大きな壁はなかったことに少し拍子抜けするとともに、周囲の理解と支援に感謝したいと思います。
時短勤務を始めて2週間。仕事も家庭も試行錯誤の日々
2025年4月より時短勤務を開始し、標準労働時間は10時~16時となりました。約2週間が経過した現在、まだ一部の業務で引き継ぎが残っていることもあり、時短勤務ではあるものの、実際には多少の残業が発生しています。
短い労働時間の中で確実に対応すべきタスクを見極めて処理する。そのうえで、溢れたタスクを的確に他の人に任せたり、別日に回したりといった判断をするのは、想像以上に難しい作業です。余裕を持って終業を迎えられた日はまだほとんどありませんが、今後も試行錯誤をしつつ、少しずつ安定に向かっていくのではないかと思います。
家庭・育児面では、時短勤務になったことで保育園・小学校の準備や送迎を中心に、従前よりも平日に関われる時間が確実に増えました。一方で、小学校・学童・習い事・保育園、そして家事と、こなすべきタスクが多岐にわたることから、時短勤務といっても想像していた以上に時間に追われています。今は「どの時間を何の対応に充てれば最も効率が良いか」を考え、最適なタイムラインを模索している最中です。
まだ途上ではあるものの、時短勤務の目的であった、「労働時間を減らして家庭に目を向ける」ことは概ね果たせており、とても満足しています。また、当初はすべてのタスクをひとりで担うことを覚悟していた妻からも、負荷が分散できたことに対する安堵の思いを聞くことができました。時短勤務という働き方がどこまで続けられるのか、継続性に対する懸念はあるものの、まずはできるところまでやり切ってみたいと思います。