三菱UFJカードは、三菱UFJニコスが発行するクレジットカードです。これまでも、特定の店舗での支払いに対して最大15%のポイント還元が受けられる優遇制度を導入しており、特に一部のスーパーが対象となっている点で注目していました。同様のポイント優遇制度は三井住友カードも導入していますが、対象店舗の違いから、日常的にスーパーを利用する人にとっては三菱UFJカードのほうに優位性があります。僕自身、対象店舗の一つである「オーケー」を日常的に利用しているため、以前から気になっていたカードの一つです。そんな中、2025年6月2日から還元率が最大20%に引き上げられるとともに、最大のネックであったポイントの使い道も大幅に改善されるとの発表がありました。これを受けて、本格的にカード作成を検討することとし、改めてメリットや注意事項を整理することにしました。
- 三菱UFJカードの優遇制度の概要。6/2からは特定店舗で最大20%還元
- 類似の優遇制度を有する三井住友カードと比較。日常使いでは三菱UFJカードに軍配か
- ネックだった“ポイントの使いづらさ”も解消。ウォレットアプリの登場でレートを維持しつつ即時利用可能に
- 我が家ではオーケーの利用が多く、還元の恩恵が大きそう。実際の家計簿からも検証
三菱UFJカードの優遇制度の概要。6/2からは特定店舗で最大20%還元
まずは、6月2日から開始となる三菱UFJカードの優遇制度がどのような内容かを整理します。なお、大前提として、後述の基本還元7%を超える還元率を得るには以下の2点を満たす必要があります。
- カード代金の引き落し口座を三菱UFJ銀行に設定
- MUFGカードアプリからエントリー
こ2つの条件が未達の場合、他の条件をいくら満たそうとも基本還元の7.0%のみとなってしまう点には注意が必要です。
また、優遇が適用される利用金額にも上限があり、毎月5万円利用分まで(=最大1万円相当のポイント付与)となっています。
加えて、「最大」とあるように、無条件で20%還元を得られるわけではなく、様々な条件を満たすことで還元率が積み上がっていく仕組みです。そこで、自分自身の生活スタイルと照らし合わせ、現実的にどこまで達成できそうかを確認しておきます。
- 基本還元:7.0%(基本0.5% + スペシャルポイント6.5%)
これは、対象店舗でカード決済をするだけで得られるポイントで、特別な条件はありません。唯一、スペシャルポイントを得るための決済方法が以下の3種類に限定されている点には注意が必要です。- 物理カード決済(ICチップ差し込みなど)
- タッチ決済(VISAタッチ or Mastercardコンタクトレス)
- Apple Pay(QUICPay)
- カード関連サービス利用:+最大3.5%
以下の条件を満たすと、最大3.5%が追加で還元されます。
条件 還元率 MUFGカードアプリへのログイン +0.5% 月5万円以上のカード利用 +0.5% スマホ決済 または グローバルポイント Walletへのチャージ +0.5% 楽Pay登録 or リボ/分割/ローンで月1万円以上利用 +2.0%
このうち、前半3点(合計還元率1.5%)は比較的達成が容易。唯一、「月5万円以上のカード利用」のみ金額調整に気を遣う程度です。ただし、前述の通り「スマホ決済」はApple Pay(QUICPay)に限定されているため、Androidユーザーは注意が必要です。 - MUFGグループのサービス利用:+最大+4.5%
以下、MUFGグループの金融サービスを利用すると、さらに最大4.5%の還元が受けられます。
条件内容 還元率 三菱UFJダイレクトへのログイン +1.0% 給与・年金の受取口座に設定 +1.0% つみたて投資の利用 +1.0% 住宅ローン契約 +1.0% COIN+の口座登録 +0.5%
このうち、「三菱UFJダイレクトへのログイン」「COIN+への口座登録」はスマホひとつで完結するため、さほどの手間もなく追加の1.5%が狙えます。さらに僕の場合、勤務先の給与振込口座を2つ設定できるため、一部を三菱UFJ銀行に設定することで、「給与/年金の受取」の1.0%も取りにいけそうです。 - 特定サービスのカード払い:+最大5.0%
対象の通信や電気、エンタメ料金などの支払いを三菱UFJカードにすることで、サービス1つごとに+1.0%、最大5.0%の還元が得られます。
ただし、対象となるサービスや企業は限定されており、「どのサービスを利用しているか」によって個人ごとに差が出る項目です。僕の場合、スマホキャリアがLINEMOであることによる1.0%のみが対象です。
各条件ごとの達成可否を踏まえると、以下を合計した12.0%還元が僕が現実的に狙えそうな水準となります。
- 基本還元:7.0%
- カード関連サービス利用:1.5%
- MUFGグループのサービス利用:2.5%
- 特定サービスのカード払い:1.0%
20%還元の達成は厳しいものの、僕が採用しているお得な決済ルートでも、オーケーのような街のお店での還元率は2.5%にとどまります。これと比較すると、たとえ12.0%還元であってもカードを作るに値するだけの優位性があります。
類似の優遇制度を有する三井住友カードと比較。日常使いでは三菱UFJカードに軍配か
三菱UFJカードと同様、特定店舗での高還元を特徴としているクレジットカードとして挙げられるのが、三井住友カード(NL・ゴールドNL・Oliveなど)です。このカードも、様々な条件を満たすことで最大20%還元が得られる仕様(Vポイントアッププログラム)ですが、三菱UFJカードとの最大の違いは対象店舗です。
三井住友カードでは、ドトールやエクセルシオールカフェといった喫茶店が対象に含まれています。一方で、三菱UFJカードでは、オーケー、オオゼキなども対象。日常の買い物に直結するスーパーが対象に含まれている点が、三菱UFJカードの優位性を高めています。また、外食チェーンについても、三井住友カードははま寿司、三菱UFJカードはくら寿司とスシローというように、ジャンルは同じでも対象チェーンが異なっています。
このように対象店舗に違いがあるため、自身の生活圏でよく利用する店舗がどちらに多く含まれているかが、カード選びの判断軸の一つとなります。
僕の場合、外食をあまりしないため、三井住友カードの還元対象となる店舗での支払いはコンビニが中心。月に数千円程度の利用です。これに対して、三菱UFJカードでは、最もよく利用するスーパーであるオーケーが対象店舗に含まれており、これだけで三菱UFJカードを新たに作るだけの価値は十分あります。
ただし、三菱UFJカードの還元率は特定の店舗以外では0.5%と決して高くはありません。したがって、利用先はオーケーなど優遇制度の対象店舗のみに限定し、メインカードには引き続き三井住友ゴールドNL(Mastercard)を採用するつもりです。
ネックだった“ポイントの使いづらさ”も解消。ウォレットアプリの登場でレートを維持しつつ即時利用可能に
三菱UFJカードは、現行制度でもオーケーなどの対象店舗で最大15%還元が得られるため、還元率だけを見るとすでに作成価値はあるように思えます。それでも、これまで僕がカード作成に踏み切れなかったのは、ポイントの使いづらさという大きなネックによるものです。
三菱UFJカードの利用で貯まるグローバルポイントは魅力的な交換先が少なく、最良のレート(1ポイント=5円)で交換できるのはAmazonギフト券やビックカメラポイントなど、一部にとどまっていました。汎用性の高い、Pontaポイントや楽天スーパーポイントへの交換はレートが低下してしまいます。
この最大のネックも、6月2日以降はスマホ決済アプリ「グローバルポイント Wallet」の登場により解消します。このアプリは、グローバルポイントのほかクレジットカードや銀行口座からチャージすることで、バーチャルプリペイドカード決済を可能とするものです。
また、バーチャルプリペイドカードによるインターネットでの決済に加え、Apple PayやGoogle Payを介してスマホでのタッチ決済にも対応しています。これにより、優遇制度で得たグローバルポイントを残高にチャージし、街のお店で利用できるようになり、ポイントを無駄なく効率的に消費するルートを確立できます。特に、高還元を狙いづらい、コード決済不可かつタッチ決済可能な街のお店で利用することで、実質的な節約が可能となります。
我が家ではオーケーの利用が多く、還元の恩恵が大きそう。実際の家計簿からも検証
最後に、三菱UFJカードの優遇制度の上限である月5万円に対して、我が家(とりつば家)ではどの程度の恩恵を得られそうかを試算しておきます。前述のとおり、とりつば家は外食の頻度が少ない一方で、日々の買い物ではオーケーを頻繁に利用しています。
実際に、家計簿アプリから過去1年間の実績を確認したところ、オーケーでの決済額は平均で月3万円ほどでした。このため、優遇制度の還元上限である月5万円には届かず、上限を超過してポイント還元を取りこぼしてしまうリスクもなさそうです。
そして、達成できる還元率を12.0%と仮定した場合、オーケーでの月3万円の支払いに対して月3,600円相当のポイントが得られる計算になります。年換算では約43,000円に相当し、日常の買い物だけでこれだけの金額が還元されるのは、やはり大きなメリットであると感じます。
*1:今回の優遇制度に限らず、Apple Pay限定のキャンペーンが展開されることも多いため、僕はサブ機としてiPhoneも所持しています。また、必要に応じてiPadも活用しています