時事ネタからは少々離れて。今回はサラリーマン卒業≒FI(Financial Independence)状態の達成に向けた活動の一つである、家計管理についてまとめます。
サラリーマンの家計といえば「毎月のお小遣いはいくらか?」が定番ネタでしたが、そんな時代も今は昔。働き方、家族のあり方や個人の考え方のすべてが”多様化”している昨今においては、家計管理のやり方も家庭ぞれぞれで多様化しています。
今回の記事では、一般論でよく言われる家計管理の方法を踏まえたうえで、我が家、とりつば家では具体的にどのような管理方法を採っているかを改めて整理します。
家計管理のはじめの一歩は支出の把握から。家計簿アプリの導入でグッと楽に
FIを目指して巨額の資産を築いたとしても、「将来に亘りどのくらいお金を使うのか」が把握できていなければ、資産が尽きることなく人生を全うできるのかどうかの判断はできません。これ以外にも収入の多寡や運用成績なども将来を試算するうえでの変数の一つではあるものの、出ていくお金は最もコントロールしやすく重要な要素です。
そして、「将来に亘りどのくらいお金を使うのか」を端的に分解すると、要するに「月々の支出はいくらか」ということになります。最終的には支出を固定費と変動費、食費や通信費といったカテゴリにまで細分化し、カテゴリごとに支出の妥当性を考察して適宜見直していくことで家計管理としての支出管理が完成します。
とはいえ、支出管理を真面目にやろうとすると発生する決済を都度記録していく必要があるため、極めて地道かつ煩雑です。よく、キャッシュカードを財布に入れておき現金がなくなったらATMで下ろす。家計管理=銀行の口座残高。なんて人がいますが、僕も昔は似たような運用でした。
これではまずいと思って家計簿を始めても、レシートを記録して合算。更に前月と比較して云々・・・をノート相手に手作業で行うのは非常に面倒で、週末にまとめてやろうにもレシートのない支出を忘れてしまったりしてとにかく大変。全く続きませんでした。
そこに彗星の如く現れたのが家計簿アプリ。これの登場は僕の家計管理においてはまさに革命と言って良い出来事でした。基本的にスマホは常に持ち歩いているため、支出した直後にサッと記録可能。これによってノート式家計簿の最大の欠点である"記録が面倒問題"を鮮やかに打ち消してくれたため、家計簿アプリの導入でそれまでが嘘のように記録が続くようになりました。
加えて、月の支出合算や前月比較も当然のように自動。カテゴリ分けも可能なため、家計簿アプリの導入によって、記録の段階で頓挫していた支出管理が一気に分析までまともに実行できるようになりました。今でも、とりつば家の月々の支出把握と分析は家計簿アプリだけで完結しています。
一般論として、世帯の家計管理方法は三種類に類型できる
さて、家計簿アプリを活用することで日々の支出は把握できたとして、続けては家計全体の管理のお話です。僕は結婚していて子どももいるので、”世帯の家計管理”について整理したいと思います。
ただ、前段で支出の把握とその妥当性の分析ができていれば後はどの財布から支払うかを決めるだけですから、理屈で言えばそれほど悩むポイントはありません。しかし、”世帯の”家計管理となるとそこには相手が存在し、感情が介在します。相手の希望や思いも汲んだうえで、世帯にとっての最適な管理方法を決めていく必要があります。
世帯の多様化とともに家計管理方法も多様化しているとはいえ、ある程度汎化すると以下の三種類に分けられるのではないでしょうか。
- 夫婦のいずれかが家計の全てを管理。管理をしない側は小遣い制
- 夫婦それぞれが自身の家計を管理。家賃など共通出費はカテゴリ別にどちらが負担するかを決める。お互いの銀行口座には不干渉が基本
- 夫婦が共同で家計を管理。共通出費をどちらが負担するかは都度話し合って決める。お互いの銀行口座はオープンで双方把握できる状態が基本
1.は、昔の専業主婦世帯でよくあるパターンで、昭和の専業主婦世帯である僕の両親もまさにこれでした。全権を握る側にある程度の金融リテラシーがあれば着実な家計管理ができ貯蓄もできる一方、管理しない側はお小遣い制となり自由にお金を使えないため不満が溜まりやすく、夫婦不和の火種になりかねません。
2.は、夫婦ともに正社員フルタイム勤務の場合などに見られるパターンで、僕の周りの既婚者を見ても結構多いような気がします。互いの銀行口座には不干渉のため自由にお金を使えて不満が溜まりづらい一方、食費など変動費の負担割合で揉めたり、まとまった費用が必要となった際に相手が全く貯金をしていないことが判明、といった事態も起こりえます。加えて、これは相手の財産(=銀行口座のほか証券口座の有無など)もわからないことを意味するため、万一が起きたときの相続の観点でも問題があります。
3.は、2の欠点を補うようなパターンで、お互いがすべてをオープンにしつつ話し合いながら家計を管理していくことになります。このため不公平感が生じづらく、また家計を夫婦の共通問題として認識することで、計画的に貯蓄を進めやすいといった利点があります。一方、すべてがオープンであることから無駄遣いや大きな買い物も相手に捕捉されてしまうので、お金に関するプライバシーのなさが欠点になるといえるでしょう。
後編では我が家での実践例を紹介。どのような管理方法を採っているか
では、とりつば家の管理方法はどれに該当するかというと、3.の応用版になると思います。お互いの口座や支出はすべてオープン。ただし、家計管理自体はお金に関する管理を得意としている僕がすべてを推進していて、「都度夫婦で話し合って決める」といった方式とは少し異なります。
後編では、とりつば家の具体的な家計管理の実践例を整理のうえ紹介したいと思います。