つばめが映す自由帖

投資を通じた資産形成や働き方の変遷の中で、 “よりよい暮らし方”を探る日々の記録。

2026年度税制改正。こどもNISAへの対応方針を考える

本日の撮り。冬場は花もあまり咲いておらず華やかさはないものの、葉のない落葉樹の枝がいい雰囲気を醸し出してくれます。枯れ木も山の賑わいとはよく言ったものです。空は青く高く澄んでいて、極端に寒すぎる地域でもないので、散歩にも適している時季です。逆に困るのは夏場で、蚊が多すぎるし何より暑すぎる。夏場の“撮り”を、今年は果たして増やすことができるのか…

 

2025年12月、与党より2026年の税制改正大綱が公表されました。個人の所得税に関してもいくつかの改正項目が盛り込まれており、特に、いわゆる“年収の壁”の引き上げの最終的な行方は大々的に報道もされ、多くの人が気にかけるテーマといえるでしょう。もっとも、税制改正には、否応なしに影響を受ける改正だけではなく、使うかどうか、どう使うかの判断が個人に委ねられているものも含まれています。中でも今回は、「こどもNISA」に注目したいと思います。というのも、こどもNISAはあくまでこどもの資産形成手段のひとつであるため、活用するか否かに始まり、どの程度まで使うのか、どんな方法で運用するのかなど、家庭ごとに検討の余地の大きい制度であるためです。

 

 

「こどもNISA」の概要。2026年度税制改正大綱より

前提として、「こどもNISA」は記事執筆時点(2026年1月)ではまだ確定した制度ではありません。あくまで与党の税制改正大綱に掲載された段階であり、今後は関連法案の作成や国会審議(委員会・本会議)を経て、正式に成立する運びとなります。このため、大綱や報道で示されている内容も、国会審議の行方などによっては細部に調整が入る可能性があります。

 

そのうえで、税制改正大綱によると、「こどもNISA」は概要としては次のような制度とされています。

  • 対象者は0~17歳。18歳になると新NISAつみたて投資枠へ自動的に移行
  • 年間投資枠は60万円、非課税で保有できる上限額は最大600万円
  • 投資可能商品は新NISAつみたて投資枠と同様(長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託)
  • 払い出しは12歳以降に可能(子の同意が必要)

    www.watch.impress.co.jp

 

注目したいのは年間投資枠。「最大600万円」という点は新NISAつみたて投資枠と同様である一方、年間投資枠は年60万円と、積み立て投資枠(120万円)の半分に制限されています。月5万円の積み立て投資を10年間続けて、ようやく上限に達する計算です。

 

短期間で一気に投資枠を使い切るというよりも、子どもの成長に合わせて、より長い期間にわたってコツコツと資産形成をおこなうことを意図した制度設計になっているようです。

 

ただし、繰り返しになりますが、これらはいずれも与党の税制改正大綱に基づく現時点での情報です。今後、正式に法案が成立した後に制度の最終形を確認したうえで、改めて対応方針を検討する必要があります。

www.mof.go.jp

 

理屈上は「最速で埋める」が正解。ただし、不平等がないよう熟考したい

こどもNISAも新NISAも、投資の値上がり益にかかる約20%の税金が非課税となる制度であるため、実利だけを考えれば利用しない手はありません。また、このブログでもたびたび触れているとおり、僕にとって投資は仕事でも趣味でもなく、できるだけシンプルに続けられ、かつ一定のリターンが期待できる方法として、先進国株式インデックスに投資先を絞っています。

mitsuwallow.com

 

一般論に当てはめれば、インデックス投資では入金力がモノをいいます。したがって、こどもNISAについても、できるだけ早期に非課税枠の600万円を埋めきるように投資していくのが、理屈上では最適解ということになります。この点は、大人の新NISAと変わりありません。

 

しかし、こどもNISAの活用を検討するにあたって注意すべきは、「資産はあくまで子ども自身のものである」という点です。資金の出どころは親であっても、これをこどもNISAに投入する際は子どもへの贈与となり、親の手を離れる扱いです。

 

こどもNISAの利用目的として、まず想定される用途に教育資金があります。ただし、払い出しには「子の同意が必要」との条件があり、いざ教育資金として資産を取り崩そうとした際に、子どもが同意しないという事態も理論上は考えられます。また、使途も「子のためのもの」に限られており、非課税だからといって「親が自由に使えるお金ではない」という点は常に念頭に置いておく必要があります。

 

さらに、きょうだいがいる家庭では、投資開始時期や投入金額の違いによって、きょうだい間に格差が生じる可能性にも注意しなければなりません。

 

我が家を例にしても、上の子は旧ジュニアNISAにほぼ満額を投資できましたが、下の子は制度廃止に伴い、1年しか利用できませんでした。その結果、生まれた時期の違いによる投資期間の差に加え、投入できた資金額の差もあって、現在ではふたりの資産には相当程度の金額差が生じています。

 

仮に、今後も取り崩しなどの調整を何もおこなわなければ、成人して非課税期間を全うする頃には、金額差は複利効果によってさらに拡大していると想定されます。そして、金額差がもたらす不公平感が、不要なきょうだい間の軋轢を生む可能性も否定できません。

 

現時点での我が家の方針

前述のとおり、こどもNISAは理屈だけで考えれば早く・多く投資するほど有利な制度です。一方で、我が家では「資産の差によって、きょうだい間に不要な軋轢を生まないこと」を重視したいと考えています。こうした前提を踏まえ、現時点での方針は次のとおりです。

  • 旧ジュニアNISAは、今後の教育資金として位置づけ、子どもたちが成人する前に使い切る
  • こどもNISAは、お年玉やお祝い金などを運用する場として活用する。親からの贈与をおこなう場合は、きょうだい間で金額差が生じないよう、慎重に判断する

 

理屈上は、できるだけ長く運用を続けた方が、非課税の恩恵を最大限に受けられます。しかし、すでに旧ジュニアNISAでは大きな金額差が生じていることもあり、まずはこれを教育資金として使い切ることを優先する方針です。具体的にいつ、どのような用途で取り崩すかまでは子どもがまだ小さいこともあって定めていませんが、いずれよく考えたいと思います。

 

また、こどもNISAについては、旧ジュニアNISAに加えて満額投資までおこなうと、金額が大きくなりすぎて教育費として使い切れなくなる可能性があります。加えて、そもそも我が家では、これ以上子どもへの贈与に回せるだけの金銭的余裕が十分にあるともいえません。そのため、親の資金を贈与してまで全力投資をするのではなく、あくまで「無理のない範囲」での活用にとどめる予定です。

 

もっとも、相続税が問題になる見込みの家庭や、親自身の新NISAや生活資金に十分な余裕がある場合には、こどもNISAへの全力投資も合理的な選択肢になり得るでしょう。

 

なお、こどもNISAの開始は2027年予定とされており、まだ1年程度の猶予があります。本記事は、あくまで執筆時点(2026年1月)の情報と考え方をもとに整理したものです。法案成立後に制度内容が確定した段階で、改めて我が家としての方針を見直したいと考えています。